厚労科研エイズ対策事業について

エイズ対策事業とセックスワーク

HIV/AIDSとの闘いの歴史は、偏見やスティグマとの闘いの歴史です。それぞれの国におけるエイズ動向調査からは、MSM(Men who have Sex with Men:男性とセックスする男性)、IDU(Injection Drug User:薬物注射使用者)、セックスワーカー、移住労働者、女性、若者など、HIV感染への高い脆弱性(vulnerability)に曝されている存在が浮き彫りになります。今日、日本のエイズ対策においても、「感染の可能性が疫学的に懸念されながらも、感染に関する正しい知識の入手が困難であったり、偏見や差別が存在している社会的背景等から、適切な保健医療サービスを受けていないと考えられるために施策の実施において特別な配慮を必要とする人々」(エイズ予防指針)を「個別施策層」(青少年、外国人、同性愛者、性風俗の従事者及び利用者)と呼び、これに対する予防啓発の充実と強化が重視されています。

本サイトを運営する「日本の性の娯楽施設・産業に係る人々への支援に関する学際的研究」(研究代表者 東優子)は、そうした「個別施策層」のひとつである「性風俗の従事者及び利用者」の性の健康を支援することを目的に、厚生労働科学研究費補助金(エイズ対策研究事業)一般公募研究として、平成 18(2006)年度に採択されました。これまでにも、エイズ対策事業の中でセックスワーカーに関する調査研究が行われてきましたが、研究課題に「性風俗の従業員及び利用者」あるいは「性の娯楽施設・産業に係る人々」が明記された研究班は、これが初めてとなります。